WinUI3でSelfContained=trueでビルドすると出るエラー対処

もくじ
https://tera1707.com/entry/2022/02/06/144447#WinUI3

WinUI3でSelfContained=trueでビルドすると出るエラー対処 その1
https://tera1707.com/entry/2022/03/19/000916

WinUI3でSelfContained=trueでビルドすると出るエラー対処 その2
https://tera1707.com/entry/2022/03/19/004221

WinUI3でSelfContained=trueでビルドすると出るエラー対処 その3
https://tera1707.com/entry/2022/03/19/010307

やりたいこと

WinUI3で作ったアプリを動かすときに、PCにランタイム類がインストールされていなくても動くように<SelfContained>true</SelfContained>をcsprojに書きたいが、それを書くと変なエラーが出る。

なんとかしたい。

前提

VisualStudio2022/.NET6/WinUI3

WIinUI3は、WinUI3のプロジェクトと、パッケージプロジェクトの2つを含むテンプレートを使用。

また、今回作るアプリはx64でだけ動けばいいので、構成マネージャーでx64以外のプラットフォームを削除したところからスタートする。

出るエラーとその対処のために試した手順、結果

まず、上記前提の素の状態のcsprojに、<PropertyGroup>の中に<SelfContained>true</SelfContained>を付け足す。

<Project Sdk="Microsoft.NET.Sdk">
  <PropertyGroup>
    <OutputType>WinExe</OutputType>
    <TargetFramework>net6.0-windows10.0.19041.0</TargetFramework>
    <TargetPlatformMinVersion>10.0.17763.0</TargetPlatformMinVersion>
    <RootNamespace>WinUI3PJTest</RootNamespace>
    <ApplicationManifest>app.manifest</ApplicationManifest>
    <Platforms>x64</Platforms>
    <SelfContained>true</SelfContained>  ★★コレ
    <RuntimeIdentifiers>win10-x86;win10-x64;win10-arm64</RuntimeIdentifiers>
    <UseWinUI>true</UseWinUI>
  </PropertyGroup>

  <ItemGroup>
    <PackageReference Include="Microsoft.WindowsAppSDK" Version="1.0.0" />
    <PackageReference Include="Microsoft.Windows.SDK.BuildTools" Version="10.0.22000.194" />
    <Manifest Include="$(ApplicationManifest)" />
  </ItemGroup>
</Project>

この状態でビルドすると、下記のようなエラーが出る。

エラー    NETSDK1031  RuntimeIdentifier を指定せずに自己完結型アプリケーションをビルドおよび公開することはサポートされていません。RuntimeIdentifier を指定するか SelfContained を false に設定する必要があります。

「RuntimeIdentifier を指定せずに」とあるが、<RuntimeIdentifiers>win10-x86;win10-x64;win10-arm64</RuntimeIdentifiers>としっかり書かれてるやないか。

ここで、ソリューションの構成マネージャーで削除したx86とかarmとかが書かれたままになってるからいけないのか?と思い、その辺を削除。 <RuntimeIdentifiers>の中身を下記のようにした。

<RuntimeIdentifiers>win10-x64</RuntimeIdentifiers>

この状態でビルドしても、以前同じエラーが出る。

ここで今一度エラーメッセージをよく見ると、「RuntimeIdentifier を指定せずに」とある。 「RuntimeIdentifiers」ではなく「RuntimeIdentifier」と書かれている。「s」がない。

確かに以前、SelfContainedな.NET6アプリの作り方を調べたときは、sのない「RuntimeIdentifier」と書いていた。 なので下記のように書いてビルドしてみる。

<RuntimeIdentifier>win10-x64</RuntimeIdentifier>

そうすると、ビルドが通って、パッケージプロジェクトでデバッグできた。

参考書

WinUI3

WinUI3でアプリを作ろうと思ったときのとっかかりによかった。 msdocsに書いてある情報を、体系的に、順番に読みたいな、というときによいかも。(ただし英語)
この本で分からなかった、かゆいところに手が届かなかった部分を私は記事にしてる感じ。

C#①

表紙に書いてある通り、教科書として最適。 これからC#を勉強したいけど、ネットだけで勉強するのは効率が悪いから体系的に学べる本が欲しいときや、 ちょっとC#を勉強してコード書けるようになったけど、もう少し広く深く知りたいなというときによいと思う。
私は仕事で触れるコードを軸に、基本ネットで断片的にC#を学んだので、その知識の隙間を埋めて枝葉を広げるためにとても分かりやすかった。

C#②

C#の文法的に色々できるのは分かったが、いざ実装するときに、わかったことを使ってどう実装すればいいのか?と悩んだときに指針になりそうな本。
「プロパティ等の名前の付け方、どうすればいい?」「情報をクラス外部に見せるときに、プロパティにすべき?メソッドにすべき?」「異常だと判定したいとき、どんなときにどんな例外をスローすべき?」などなど、勉強になる部分が山ほどあった。
私のように「コードは書くけどこれであってるのか自信がない、レビューで指摘されるのが嫌だ、実装時の(心の)よりどころが欲しい」という人に最適。